『キングダム』は、原泰久(はら やすひさ)による日本の漫画作品です。
中国の春秋戦国時代を舞台に、戦争孤児の少年・信(しん)が、のちの始皇帝となる秦王・政(せい)や、数多くの英雄たちとともに、中華統一を目指す壮大な物語が描かれています。
2006年より週刊ヤングジャンプにて連載が開始され、2020年には待望のアニメ化も果たしました。現在も連載は続いており、歴史漫画の金字塔として多くのファンを魅了し続けています。
本記事では、そんなキングダムのあらすじを詳しくわかりやすくまとめていきます。
物語の舞台となる中国戦国時代の情勢や、作品の主要人物についても触れながら、ストーリーの流れを追っていきましょう。
戦国の興亡や人物関係、そして主人公・信の成長と苦悩を通して、作品の魅力に迫ります。キングダムの世界観に浸りながら、一緒にあらすじを追ってみましょう。
記事のポイント
・キングダムは中国の春秋戦国時代を舞台にした壮大な歴史漫画
・主人公の信は、親友の漂(ひょう)と中華統一の夢を抱き、武人の道を歩む
・秦王・政とともに数々の戦いを繰り広げ、大将軍を目指して成長する
・次々と強敵が立ちはだかる中で、信は仲間との絆を深め、戦争の悲惨さと平和の尊さを学ぶ
・作品は、戦国時代の歴史的事件や人物をモチーフにしつつ、フィクション要素も織り交ぜている
・連載開始から15年以上が経過した今なお、根強い人気を誇る作品である
キングダムのあらすじ簡単
プロローグ〜三百人将編
物語は、春秋戦国時代の中国・秦国から始まります。戦災孤児の少年・信と漂(ひょう)は、貧しい生活の中でも武功を上げ大将軍になることを夢見て日々励んでいました。
ある日、漂が秦王・嬴政(えいせい)の影武者となり宮中へ。
しかし、王弟・成蟜(せいきょう)の反乱によって命を落としてしまいます。信は漂との約束を胸に、嬴政と出会い反乱の鎮圧に尽力。政に才能を見出され、三百人将に抜擢されます。
初めての指揮官としての戦いに臨む信。仲間と力を合わせ、見事勝利を収めるのでした。
信の活躍は、次第に政をはじめ多くの人々の目に留まるようになります。
特に政の親衛隊長・昌文君(しょうぶんくん)は、信に将軍としての素質を見出し、厳しくも愛情あふれる指導を施していきます。
信も昌文君の教えを胸に、兵士たちとの絆を深めながら、着実に力をつけていくのでした。
王騎軍編〜合従軍編
信は千人将となり、より大きな戦場に足を踏み入れます。
当初は無名の若者でしたが、持ち前の勇猛果敢さと仲間思いの姿勢で頭角を現していきます。
特に火急の関所攻略戦では、小さな軍を率いながらも鋭い戦術眼で勝利に貢献。政や昌文君をはじめ、多くの武将たちから一目置かれる存在となります。
一方、秦国一の武将・王騎将軍の副官となった信でしたが、王騎戦死後はその意志を継ぎ、王騎軍の一員として活躍します。
王騎亡き後の秦国軍を支え、李信(りしん)、呂不韋(りょふい)ら個性豊かな武将たちとともに、数々の戦場を駆け抜けるのです。
特に趙との長きにわたる合戦では、幾度となく窮地に立たされながらも、仲間との固い絆で乗り越えていきます。
そんな中、秦国は山陽攻略戦で魏への侵攻を開始。
しかし、途中で趙の名将・李牧(りぼく)が立ちはだかり、戦況は膠着状態に。李牧の策に苦戦する秦軍でしたが、信は新編の飛信隊(ひしんたい)を率いて活躍。
独自の戦術で勝利を収め、将軍としての力量を発揮します。飛信隊は、若くて経験の浅い精鋭部隊。信は彼らを導き、戦場の絆を育んでいくのです。
しかし、そこへ趙・楚・魏・韓・燕の合従軍が秦国へ侵攻。秦国の危機に、信は嬴政の親衛隊長として合従軍との戦いの先陣に立ちます。圧倒的不利な状況の中、信は必死に戦い抜きます。
政への忠誠心と漂との約束、そして何より仲間を守る思いが、信を突き動かすのでした。合従軍との死闘の中で、信は改めて平和の尊さと戦争の悲惨さを実感。
ただ戦うだけでなく、民を守る存在となる決意を新たにするのです。
鄴攻略戦〜統一編
合従軍を退けた秦国でしたが、再び成蟜の反乱が勃発。信は反乱軍を鎮圧し、政を守ります。
かつての敵であった成蟜は、信の人柄に触れ改心。のちに秦国軍の一員となり、信とともに戦うようになります。
一方、趙との戦いは新都・鄴(ぎょう)の攻略戦へ。
鄴は趙の中枢で、秦にとって最重要ターゲットでした。攻略には李牧との知略戦が待ち受けますが、苦戦の末に秦軍は鄴を落とすことに成功。この戦いで信は、飛信隊の面々とともに大きな武功を上げます。
騰(とう)、王賁(おうほん)、羌瘣(きょうかい)など、個性豊かな隊士たちは、信の切れ者ぶりに心酔。信もまた、彼らとの絆を何よりも大切にしていくのです。
鄴攻略後、秦国の勢いは留まるところを知りません。
しかし、そこで信は大きな悩みを抱えることに。自らの戦いぶりが、多くの民衆を苦しめていることに気づいたのです。武将としての喜びと、人としての罪悪感。信は深く悩み、葛藤します。
しかし、政や昌文君との対話を通じ、信は新たな答えを見出します。武力だけでなく、民の心をも掴むこと。それこそが真の王者の道だと悟ったのです。
信は以降、民に寄り添う政治を目指し、より一層奮闘していくことになります。
キングダムのあらすじ簡単:魅力
中国の歴史をベースにしながらも、原作者のオリジナル要素
作品は中国の歴史をベースにしながらも、原作者のオリジナル要素が多分に含まれています。歴史マニアだけでなく、幅広い読者を魅了する工夫が随所に施されているのです。
特に、信や政をはじめとするキャラクターの掘り下げは秀逸。戦場の絆や葛藤、そして成長する姿が丁寧に描写されています。また、一国の興亡をかけた戦いの臨場感あふれる表現も見事。戦術や知略を駆使した闘いは、読む者を大いに熱くさせるでしょう。
登場人物の魅力
キングダムの魅力は、何と言っても信を始めとした登場人物の魅力です。信は、小さな身体に秘めた大きな野望を抱く少年。素直で一本気な性格は、多くの仲間を引き付けます。
王や大将軍を目指す彼の姿は、読者に夢と希望を与えてくれるでしょう。また、趙の李牧、楚の項羽など、信に立ちはだかるライバルたちも魅力的。
彼らとの戦いを通じて、信は武将としても人としても大きく成長していきます。
戦国絵巻
作品の背景となる中国戦国時代の描写も見事です。春秋五覇の後を継ぐ戦国七雄が、熾烈な戦いを繰り広げる様子が活写されています。史実をベースにしつつ、フィクションならではの解釈も交えて描かれる戦国絵巻。まさに「生きた歴史」と言えるでしょう。
さらに、キングダムは単なる一国の物語にとどまりません。戦乱の世を生きる人々の哀歓や、戦争の悲惨さ、平和の尊さなど、普遍的なテーマも描かれているのです。信は幾多の戦場を経験する中で、武力だけでは真の平和は築けないことを学びます。民を思う心を持ち、時には武を収める勇気を持つこと。それこそが、信が目指す「理想の王」の姿なのです。
キングダムのあらすじ簡単: まとめ
・キングダムは中国春秋戦国時代を舞台に、信と秦王・嬴政の活躍を描く歴史漫画
・幼馴染の漂を亡くし、彼との約束を胸に武人の道を歩む信
・王騎将軍の副官となり経験を積み、飛信隊の将となって数々の合戦で勝利を収める
・王弟・成蟜の反乱鎮圧や合従軍との戦いなど、秦国存亡の危機に立ち向かう
・趙との戦いでは鄴や黒羊丘の攻略に尽力。李牧との知略戦を制する
・項羽率いる楚を下し、秦は全国統一。政は始皇帝に、信は大将軍となる
・数々の戦場を経験する中で、信は戦争の悲惨さと平和の尊さを学んでいく
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