『キングダム』の馮忌（ふうき）は、趙軍に所属する知略に長けた将軍です。その頭脳は、あの秦の六大将軍・王騎（おうき）ですら警戒するほど。
今回は、そんな馮忌の活躍や人物像、そして気になる最期について詳しく解説していきます。知略派でありながら、どこか脆さも持ち合わせていた馮忌の魅力に迫りましょう。
この記事のポイント
・馮忌は「頭脳の馮忌」の異名を持つ知将
・長距離戦を得意とし、近距離戦を苦手とする
・馬陽の戦いで秦軍と激突し、信との一騎打ちの末に討たれる
・史実にも登場する人物だが、キングダムとは設定が異なる
キングダム 馮忌（ふうき）のプロフィール
冷静沈着な戦略家「頭脳の馮忌」
馮忌は、趙国（ちょうこく）の将軍として、その名が知れ渡るほどの知将です。その鋭い眼光と口髭をたくわえた風貌からは、知性と威厳が感じられます。
彼が「頭脳の馮忌」と称される所以は、その卓越した戦略眼にあります。戦場全体を見渡し、敵味方の動き、地形、そして戦況の変化を瞬時に把握し、最適な戦略を立案することができます。
彼は決して熱くなりすぎることなく、常に冷静沈着に戦局を分析し、冷徹な判断を下します。
長距離戦に秀でた戦略
馮忌は自身の強みと弱みを冷静に理解しており、長距離戦を得意としています。弓や弩などの遠距離攻撃を駆使し、敵を翻弄しながら、効率的に討ち取っていく戦術を得意とします。
彼は、自らの軍勢を巧みに操り、敵を罠に嵌め、勝利へと導きます。
一方で、接近戦は苦手としており、白兵戦に持ち込まれる前に決着をつけることを常に意識しています。
信との運命的な出会い
馮忌は、後の秦の将軍・信と馬陽の戦いで激突することになります。
若き日の信にとって、馮忌は初めて対峙する本格的な知略派の将軍でした。
信の猪突猛進とも見える戦い方と、馮忌の冷静沈着な戦略がぶつかり合うことで、戦いはより一層激化していきます。
史実にも登場する人物だが、キングダムとは設定が異なる
史実の馮忌とキングダムの馮楽は、名前が似ているだけでなく、趙の武将という共通点もありますが、活躍時期や人物像、最期など、大きく異なる部分が存在します。
史実の馮忌
活躍時期:
史実の馮忌は、趙の恵文王の時代に活躍した将軍です。これは、キングダムで活躍する廉頗や楽毅、趙奢といった名将たちとほぼ同時代にあたります。
人物像:
史実の馮忌に関する資料は限られており、詳しい人物像は分かっていません。しかし、「戦国策」という書物には、斉との戦いで活躍したという記述が残っています。
最期:
馮忌の最期についても詳しいことは分かっていません。
キングダムの馮忌
活躍時期:
キングダムの馮忌は、趙の悼襄王の時代に活躍した将軍として描かれています。これは、史実の馮忌の活躍時期から約50年以上後の時代にあたります。
人物像:
キングダムの馮忌は、「頭脳の馮忌」の異名を持つ知略に長けた将軍として描かれています。冷静沈着な戦略家で、長距離戦を得意とする一方、近接戦は苦手としていました。
最期:
キングダムの馮忌は、馬陽の戦いで秦軍と戦い、信との一騎打ちの末に討ち取られます。
キングダム馮忌（ふうき）の活躍と最期
馮忌の知略が他の将軍とどう違ったのか
馮忌の知略は、他の将軍と比べて以下の点が大きく異なっていました。
1. 冷静沈着な分析力と状況判断能力
馮忌は、戦場全体を俯瞰し、敵味方の兵力、地形、士気、そして戦況の変化を冷静に分析できる卓越した頭脳を持っていました。その上で、最善の戦略を立て、状況に応じて柔軟に対応できる点が、他の猪突猛進型の将軍とは一線を画していました。
例えば、馬陽の戦いでは、秦軍を自軍にとって有利な場所におびき寄せ、地の利を活かして戦いを優位に進めました。
これは、感情に左右されず、常に冷静に状況を判断できる馮忌だからこそできたと言えるでしょう。
2. 長距離戦に特化した戦略
馮忌は自身の強みと弱みを理解しており、長距離戦を得意としていました。弓や弩などの遠距離攻撃を駆使し、敵をじわじわと追い詰めていく戦術を得意としていました。
接近戦を得意とする将軍が多い中、馮忌のように、自らの得意分野に特化した戦略を得意とする将軍は珍しかったと言えるでしょう。
3. 相手の心理を突く戦略
馮忌は、相手の心理を突く戦略も得意としていました。相手の行動を予測し、相手の意表を突く行動を取ることで、敵を混乱させ、戦いを有利に進めました。
例えば、馬陽の戦いでは、王騎が自身の首を狙っていると察知し、敢えてその動きを利用することで、飛信隊を誘い込むなどの戦略を見せています。
これは、敵の心理を読み解く洞察力と、それを利用する狡猾さを持ち合わせていた馮忌だからこそできたと言えるでしょう。
これらのことから、馮忌の知略は、他の将軍と比べて、より戦略的で多面的であり、戦況や相手の特性に合わせて柔軟に対応できる点が優れていたと言えるでしょう。
馮忌の戦略の評価
馮忌の戦略は、作中では高く評価されている一方で、その限界も指摘されています。
高い評価
・王騎に警戒されるほどの知略
秦国最強の武将として名高い王騎は、馮忌の知略を危険視し、早期に排除すべき相手と判断しました。あの王騎が警戒するほど、馮忌の戦略眼は優れたものであったと言えるでしょう。
・秦軍を翻弄する
馬陽の戦いでは、馮忌は序盤から持ち前の知略を活かして秦軍を翻弄します。地の利を活かした戦術や、相手の意表を突く行動によって、秦軍を苦しめました。
・冷静な状況判断と対応力
馮忌は、戦況に応じて柔軟に戦略を変え、冷静に対応できる能力も持ち合わせていました。飛信隊の奇襲という予想外の事態にも、冷静に状況を判断し、守備を固めるなどの対応を見せています。
限界
・圧倒的な武力への対抗策の不足
馮忌は知略家として優れていましたが、個人としての武力はそれほど高くありませんでした。そのため、信のような圧倒的な武力を持つ相手には、知略だけでは対抗しきれず、最終的には敗北を喫しています。
・近接戦への対応力の低さ
馮忌は長距離戦を得意とする一方で、近接戦は苦手としていました。そのため、信との一騎打ちに持ち込まれた際には、その弱点を突かれて敗北してしまいました。
総合的な評価
馮忌は、戦況を冷静に分析し、多岐にわたる戦略を駆使できる、非常に優秀な知将であったと言えるでしょう。しかし、その一方で、圧倒的な武力や、自身の苦手な状況への対応策が不足していた点は否めません。
結果として、馮忌は自身の知略を活かしきれず、若き才能の前に散ることになりました。
彼の死は、戦においては、知略だけでなく、武力や状況判断力など、様々な要素が複雑に絡み合っていることを改めて示すものと言えるでしょう。
馬陽の戦いにおける頭脳戦
馮忌は、趙軍の主力部隊である趙右軍を率いて、馬陽の戦いに参戦します。
この戦いは、秦趙両国にとって、国運をかけた一大決戦でした。
馮忌は、持ち前の知略を活かして、秦軍を相手に善戦します。
しかし、その才能を危険視した秦の六大将軍・王騎に狙いを定められ、信率いる飛信隊との戦いを余儀なくされます。
秦軍を翻弄する戦略と戦術
馮忌は、戦いの序盤から、秦軍を相手にその戦略眼の鋭さを見せつけます。
まず、秦軍を自軍にとって有利な地形におびき寄せ、地の利を活かした戦いを展開します。
さらに、相手の動きを先読みし、虚を突く攻撃を仕掛け、秦軍を翻弄していきます。
王騎は、馮忌の知略を警戒し、早期に排除する必要があると判断し、配下の将軍たちに馮忌の討伐を命じます。
飛信隊との運命の出会い
王騎の命を受けた飛信隊は、馮忌の軍勢に奇襲を仕掛けます。
100人にも満たない隊 VS 数万の軍勢という圧倒的な戦力差でしたが、飛信隊は持ち前の機動力と戦術を駆使し、馮忌の軍勢に大きな損害を与えます。
馮忌は、飛信隊の予想外の攻撃に驚きながらも、冷静に状況を判断し、守備を固めます。
そして、飛信隊の猛攻を凌ぎ切り、逆に包囲しようと試みます。
信との一騎打ちと最期
馮忌は、戦場で信と遭遇し、一騎打ちを繰り広げることになります。
信の武力に圧倒されながらも、馮忌は冷静さを失わず、隙を突いて攻撃を仕掛けようとします。
しかし、最後は、信の渾身の一撃を受け、命を落とします。
知略に長けた将軍でありながらも、若き才能の前に散ることになった馮忌。
彼の死は、信の将軍としての成長を印象付ける出来事となりました。
キングダム 馮忌（ふうき）まとめ
・知略に長けた将軍として、王騎に警戒されるほどの頭脳を持つ
・長距離戦を得意とする一方、近距離戦は苦手としていた
・馬陽の戦いで信と激突し、その戦いの最中に命を落とす
・史実にも登場する人物だが、キングダムとは設定が異なる
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